第2回 小さきもの


昨年の秋、我が家のガスレンジ下にお蕎麦の切れはしをみつけた。
油汚れにまみれた1cmほどのお蕎麦の切れはし。
そのお蕎麦の切れはしを何故かそーっと手に取ってみた。
よぉーく見たら…目がある。足もある。もっとよーく見たら…
お蕎麦じゃないよヤモリだよ。生まれたてのヤモリでした。

かくして我が家で初めてのペットを飼うことになったのだった。
名前は、モリヤ カズヨシ、あだ名はヤモさん。
しかし私は専ら「とかちゃん」と呼んでいる。
とかちゃんの餌はイエコオロギという2、3ミリの小さいコオロギの子供。
このコオロギを通販で取り寄せているのだが、
こいつらがほんっと腹立つくらい弱い!まさに弱虫なのだ!
飼育箱に放つや、ほんのちょっぴりの水滴に溺れて死ぬわ、
水を含ませた脱脂綿の繊維に足を取られて動けなくなるわで、
もういや!
ダチョウ倶楽部の上島竜平ならきっとこういうでしょう。
「ばかだなあ」
次の朝のぞいてみると確実に10匹以上死んでいる…。そんな調子でどんどん減って行くイエコオロギたち。
待って−あたしを置いていかないでーっ!!

小さきものたちよ。君らはとかちゃんの餌となる前に死んでしまうのか?
てか何しにうちにきたの?

そして今日も私はこう叫びながら飼育箱をあけてみるのだ。
   小さきものたちよ   元気ですかーっ!!

P.S.今年に入って、知人が黄色いカナリアをプレゼントしてくれたので、今うちには、とかちゃんとぴいいちろうがいます。

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