今回も熊本の旅について書きます。間があいてしまいましたがどうぞよろしく。
第14回 文学ひとり旅・熊本2
小泉八雲旧居
 熊本は文学に力をいれています。ゆかりの文人が多いというのもありましょうが、福岡に比べると文学館の充実ぶりが目を惹きます。数が多く、内容も充実しているので、とても1日ではまわりきれないといった具合です。という訳で今回は文学館、記念館めぐりです。

 まずは小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)熊本旧居です。デパートや銀行などが立ち並ぶ熊本一番の繁華街、下通り商店街からちょっと入ったところにあります。ぽつんと一軒不思議な感じですが、もともと解体される予定だった家をこの場所に移したとのことです。

 中は掃除がいきとどいていて、こぎれいで、あまり古さは感じません。普通の家のように玄関でくつをぬいで上がれるのが客人になったようで嬉しいです。
 木々の繁った素晴らしい庭があり、縁側からいつまでも眺めていたくなります。いごごちが良くて、畳に寝転びたくなりました。この家のトイレも借りました。実際に小泉家でつかっていたトイレは開かずの間でした。八雲はキリスト教嫌いだったそうですが、立派な神棚が備え付けてあり、毎朝柏手を打っていたそうです。

 八雲が熊本にいたのは学校で教えていた3年のみですが、その時の夏目漱石との比較、生涯の軌跡、日本語書きの手紙、写真、当時出版された本などが展示されています。もらった詳しい小泉八雲略年譜によると、冒険家といっていい位あちこち世界を旅して写真を撮り、文章を書いています。職も転々として、新聞記者、文芸記者、編集者などの仕事の合間に、「食堂を開くが共同出資者に売上金を持ち逃げされ、20日間でつぶれる」といった面白い経歴も書いてありました。西インド諸島での2年間の生活を経て、日本を目指す訳ですが、当時の日本には今ではなくなってしまった「異国」という魅力があったのでしょう。

「くまもとハーン通信」
 小泉八雲熊本旧居保存会は、絵はがきをつくって売っていました。「くまもとハーン通信」という4ページカラーの新聞までも発行していて活動的な様です。
 その新聞に旧居の敷地内に猫が入ってきて、板壁をひっかいたり、座敷に上がって座布団に坐ったり、夜間警備の赤外線を作動させたりする様子が記されていました。ほほえましい話ですが、管理する側からすると本当に困っているようです。

 八雲邸だけで終ってしまいました・・・。続きは次回に。

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