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このコーナーでは、ポーランドが生んだユニークな作家(兼画家)ブルーノ・シュルツの作品を紹介してゆきます。私の拙い文章でどれだけシュルツ作品の魅力をお伝えできるかどうかわかりませんが、おつきあいいただければ幸いです。なお、文中の引用はすべて新潮社の「ブルーノ・シュルツ全集」(工藤幸雄訳)からのものです。 |
第7回 肉桂色の店
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子供の頃よく見た夢で、こんな夢があります。 ---いつものように登校していると、通学路に今まで見たことのない横道があって、興味にかられてついつい入り込んでしまう。この道はどこに向かうんだろうと思いながら歩いていると、一度しか会ったことのない親戚とか、転校していった友達とか、色んな人々と出会う。そうしながら歩き続けると、ずっと行ってみたかったけど、ひとりでは行けなかった場所に辿り着く。---
シュルツの「肉桂色の店」を読んだとき、そんな子供のころの夢を思い出しました。その「肉桂色の店」のあらすじは次のようなものです。 |