♪♪♪♪♪ 第4回 東京日記 その1 ♪♪♪♪♪


 ものすごく久しぶりに東京に行ってきた。今回は仕事で行ったので、自由時間は半日しかなかった。その時間を利用してラフォーレ原宿で開催されていたピーター・サヴィル展に行ってきた。

 ピーター・サヴィルってデザイナーなんだけどどのくらい知られてるんだろうか。70年代後半のイギリスのロック好きな人でないと、知らないのではないかな?最近、映画「24アワー・パーティー・ピープル」が話題になったから、若いひとにも知られるようになったかもしれない。

 わくわくしながら会場に入ると、ビデオが上映されていた。椅子もあることだし、休憩もかねて観ることにする。トニー・ウィルソンの作った音楽番組「So it goes」が上映されていた。腹を血で染めて歌い、踊り、客を挑発するイギー・ポップ。私はすっかり十代のころに戻ってしまった。

 展覧会場に入り、まず目に飛び込んだのは70年代後半に作られたポスターだった。本で写真を見たことはあったけど、本物のポスターは迫力がすごい。ときめいた。ライブの告知ポスターにはジョイ・ディヴィジョン、ドゥルッティ・コラム、キャバレー・ヴォルテールなどの名前が並んでいる。この頃のマンチェスターのロック・シーンに思いをはせ、感慨にふけった。

 私はピーター・サヴィルの作品では、ジョイ・ディヴィジョンのレコード・ジャケットが最も好きだ。そのデザインのオリジナル・アート・ワークも展示されていて感激した。銅盤に文字を刻んだもの、タイポグラフィを決定するためのサンプルなどなど、入魂の仕事ぶりがうかがえた。
 ピーター・サヴィルにとって、ファクトリー(マンチェスターのインディ・レコード・レーベル)での仕事というのは、そうとうやりがいがあったのだろう。作品やその製作過程から、緊迫感やら情熱やらがひしひしと伝わってきた。
 それにしても、レコード・ジャケットというのは、どうしてああもひとを惹きつけるのだろう。デザイナーにとってもレコード・ジャケットの仕事というのはきっと魅力的だったのだろうな。CDは小さなプラスチックのケースにペラペラの紙だからなあ・・・。CDをディスプレイするインテリアとかこのごろよくみるけど、私はCDを飾る気にはちょっとなれない。

 会場音楽はニュー・オーダーがこの展覧会のために作ったもので、これまたかっこよかった。
 1971年に生まれてよかった、三十路万歳!と思わせてくれた展覧会だった。満足。


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